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日本語学校卒業後の外国人、在留資格の要件緩和…北九州市が就職活動を促進で(2024/3/22 読売新聞)によれば、北九州市において、国家戦略特区の在留資格要件緩和制度に基づく申請が認定されたとのこと。”申請が認定された”とのことですが、実施要項から判断するに、おそらく自治体が発行した確認証明書等を添えて申請した”在留資格変更許可申請が許可された”のだろうと思います。

対象となる在留資格と要件

対象となる在留資格は「特定活動」であり、要件として、国家戦略特区制度を利用するか否かの違いは微々たるものです。

即ち、国家戦略特区制度を利用する場合は、日本語教育機関の要件が、適正校であるべき期間が3年から1年に緩和されることと、就職支援と帰国活動を関係自治体とともに行う、とされていることのみです。

国家戦略特区制度については、当ブログの投稿「エンジニアビザ」(福岡)を、適正校については、同じく不適正大学への留学停止へをご覧ください、

国家戦略特区制度を活用しない場合

留学生の要件

  1. 海外の大学等を卒業等し、学士以上の学位を取得していること。
  2. 在籍していた日本語教育機関における出席状況がおおむね9割以上と良好であること。
  3. 就職活動を継続するための適切な経費支弁能力を有していること。
  4. 日本語教育機関在籍中から本邦での就職活動を行っていること。
  5. 在籍していた日本語教育機関と卒業等後も定期的に面談を行い、就職活動の進捗状況を報告するとともに、当該日本語教育機関から就職活動に関する情報提供を受けること。
  6. 日本語教育機関を卒業等した後も就職活動を継続することに関して、在籍していた日本語教育機関から推薦状を取得していること。

日本語教育機関の要件

  1. 日本語教育の適正かつ確実な実施を図るための日本語教育機関の認定等に関する法律(令和5年法律第41号)に基づき、文部科学大臣の認定を受けた日本語教育機関に置かれた留学のための課程であること。
  2. 直近3年間において、在籍管理が適切に行われていること。
  3. 職業安定法(昭和22年法律第141号)に基づく職業紹介事業の許可の取得若しくは届出を行っていること又は就職を目的とするコースを備えていること。
  4. 在籍していた留学生の本邦における就職について、直近1年間において1名以上又は直近3年間において2名以上の実績があること。
  5. 本件措置を活用する留学生の就職支援のため、当該留学生と卒業等後も定期的に面談し、就職活動の進捗状況の確認及び就職活動に関する情報提供を行うこと。
  6. 本件措置を活用する留学生が、就職活動の継続のための在留資格「特定活動」の在留期間内に就職が決定しなかった場合又は就職活動を取り止める場合には、適切な帰国指導を行うこと。

国家戦略特区制度を活用する場合

留学生の要件

ア 海外の大学等を卒業等し、学士以上の学位を取得していること。
イ 在籍していた日本語教育機関における出席状況がおおむね9割以上と良好で
あること。
ウ 就職活動を継続するための適切な経費支弁能力を有していること
エ 日本語教育機関在籍中から、本邦での就職活動を行っていること。
オ 関係自治体の区域内を生活拠点とし、在籍していた日本語教育機関及び関係自治体と卒業等後も定期的に面談を行い、就職活動の進捗状況及び資格外活動の状況を報告するとともに、関係自治体等が行う外国人留学生の就職活動支援に関する情報など、就職活動に関する情報提供を受けること。
カ 日本語教育機関を卒業等した後も就職活動を継続することに関し、在籍していた日本語教育機関から推薦状を取得していること。
キ 関係自治体が実施する、就職活動継続に係る意欲等を判断する面接等の審査を受け、本事業の対象者として選定されたことの選定証明書を取得していること。

日本語教育機関の要件

ア 日本語教育機関認定法(令和5年法律第41号)に基づき、文部科学大臣の認定を受けた日本語教育機関に置かれた留学のための課程であること。
直近1年間において、在籍管理が適切に行われていること。
ウ 職業安定法(昭和22年法律第141号)に基づく職業紹介事業の許可を取得若しくは届出を行っていること又は就職を目的とするコースを備えていること。
エ 在籍していた留学生の本邦における就職について、直近1年間において1名以上又は直近3年間において2名以上の実績があること。
オ 本事業を活用する留学生の就職支援のため、関係自治体とともに、当該留学生と卒業等後も定期的に面談し、就職活動の進捗状況及び資格外活動の状況を確認するとともに、就職活動に関する情報提供を行うこと。
カ 本事業を活用する留学生が、就職活動の継続のための在留資格「特定活動」の在留期間内に就職が決定しなかった場合又は就職活動を取り止める場合には、関係自治体とともに当該留学生に対して適切な帰国指導を行うこと。

まとめ

冒頭の記事の内容だけであると、大卒でない、日本語学校卒の留学生への在留資格が緩和されたように誤解をまねく恐れがあります。

当該制度はあくまで、海外の大学等を卒業した後、日本で日本語学校に留学の在留資格で在留した外国人が就職活動をする場合の要件として、日本語学校が3年間適正校である必要があるものの、国家戦略特区において自治体から所定の支援があれば、1年間適正校であればよい、というものです。

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。

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