前回の投稿に続いて、在留カードネタです。

ニュース記事

夫婦で在留カードを偽造した容疑で中国人2人を逮捕 500万円以上得ていたか 2024/04/30 名古屋テレビ」によれば、”在留カードなどを偽造したとして、中国籍の夫婦が再逮捕されました。(中略)警察は2人が去年11月ごろから在留カードなどを偽造して販売し、500万円以上を売り上げたとみていて、余罪についても調べています。”とのこと。

在留カード偽造の発生件数

法務省の令和5年版犯罪白書によれば、令和4年の偽造在留カード所持等の検挙数は402件とのこと。”入管法違反の検挙件数は、平成17年から減少していたところ、25年から27年までの増減を経て、28年から増加し続けていたが、令和3年から減少に転じた”とありますが、コロナによる影響と考えられ、コロナの収束と流入する外国人の増加に伴い、爆発的に増える可能性もあります。

在留カードの偽造は何故ビジネスとなるのか

不法残留状態(正規に在留資格を付与されていない場合)にある外国人が、職に就くため、偽造在留カードにより会社の採用担当者の目を欺こうとするニーズが考えられます。正規に在留資格を付与されていても、就労できる在留資格でなく、かつ資格外活動許可を得られていない場合等も同様です。

令和6年1月1日時点の不法残留者数は7万9,113人です。これらの人々の多くは、既に不法状態にあることを認識しており、偽造在留カードの所持という違法行為を重ねやすいと考えると、偽造ビジネスにとって相当な規模のマーケットになります。

(なお、この数字は、不法残留が発覚して収容或いは仮放免されている数ではなく、外国人の出入国記録、入国者の在留期限、退去強制された件数等から算出された、事実上の不法残留者です。)

雇用者にお気をつけ頂きたいこと

上記のとおり、偽造在留カードは相当に出回っていると考えられ、外国人を採用される雇用者の方々にとっても、それを目にすることは現実に起こりえます。

在留カードが偽造であることを見抜けなかった場合どうなるか

最悪の場合、不法就労助長罪(入管法73条の2)の対象となり、三年以下の懲役か三百万円以下の罰金、或いはその両方が課されます。同条2項は、わざわざ、”過失が無い限り”、就労できる在留資格と知らなかったとしても言い逃れができません、と言っています。びっくりするほど厳しい規定です。

例えば、在留カードの確認すらしていなかったり、原本でなくコピー(原本が偽造カードである可能性があります。)だけで確認していたりしていれば、過失が無かったとは言えないでしょう。

又、自社の業務はしてもらっているが、おそらく資格外活動許可を得ずして、バイトとかしているのだろうが、それは自己責任に任せておけばよい、などと考えていたら、これは故意に近くなります。(未必の故意といいます。)

採用面接時、在留カードの原本を必ず提示してもらい、”過失が無い”としっかり言い切れるまでの確認を行う必要があるというわけです。では在留カードが偽造でないことはどうやって確認すればよいのでしょうか。

在留カードが偽造でないことを確認する方法

①目視によるチェック

法務省のHP(PDF)に確認方法が以下のように記載されています。まずは、これが基本になります。

②在留カード等読取アプリケーションによる読み取り

上記PDFの下部にも記載されていますが、法務省より無料配布されているアプリケーションで偽造かどうかの確認ができます。PCにインストールする場合は別途カードリーダを購入する必要がありますが、スマホ利用の場合は追加コストがかからないので便利です。

③在留カード等番号失効情報照会

同じく、上記PDFの下部にも記載されていますが、「出入国管理庁の在留カード等番号失効情報照会」というホームページで、在留カードの番号と在留カード有効期間を入れることにより、そのカードが失効されていないかどうかの確認を行うことができます。

まとめ

採用面接時には、上記②③を必ず行うようにしておくことをおすすめします。ご本人の前で行うことは疑っているようであまり望ましくないでしょうから、コピーを頂きますと言って、コピーをとると同時にご本人には見えないところで実施するのがよいでしょう。

これだけやっておけば、不法就労を助長するような行為はしていないし、過失も無いと断言できるのではないでしょうか。

なお、偽造カードを発見した際の通報先として、出入国在留管理庁が情報受付のページを用意しています。

在留・入管関連ニュース

投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。

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