産経新聞(2025/03/25)によれば「今治造船、技能実習で処分 出入国在留管理庁など認定計画取り消し 過去最多の2134件」とのこと。記事を以下に要約します。
出入国在留管理庁と厚生労働省は、今治造船(愛媛県今治市)の技能実習計画2134件を、労働安全衛生法違反が確認されたため取り消した。これは、技能実習法に基づく処置で、2017年11月の施行以来最大の取り消し件数となる。今後、同社は5年間、技能実習生を受け入れることができなくなり、「育成就労」外国人の受け入れもできなくなる。技能実習法では、労働安全衛生法違反で罰金が確定した場合、実習計画の認定が取り消される。
技能実習計画とは何か
技能実習制度は、外国人労働者が日本で一定期間、特定の技能や技術を習得し、自国の発展に貢献できるようにすることを目的とした制度です。この制度では、外国人労働者(技能実習生)が日本の企業や団体に派遣され、一定の研修や実務経験を積むことが求められます。
技能実習計画とは、技能実習生が受けるべき具体的な訓練内容や実習内容を定めた計画書で、実習が効果的に行われることを保証するために必要な文書です。この計画書には、実習生が実施する実習内容、実習先の条件、実習期間、実習を通じて習得するべき技能や技術の内容が詳細に記載されます。技能実習計画は、受け入れ機関が提出し、監理団体が認定する必要があります。
認定取り消し事由
技能実習計画の認定は、技能実習制度に基づく運営が適正に行われることを保証するための重要な手続きです。認定取り消しが行われる主な事由は以下の通りです:
- 実習内容が計画通りに実施されていない場合
実習計画に記載された内容が実際に行われていない、またはその実習が適切に実施されていない場合、認定は取り消されることがあります。 - 不正な労働環境や労働条件の提供
労働基準法に反する過剰労働、賃金の未払い、不適切な労働環境が提供されている場合、計画の認定は取り消されます。 - 技能実習生の虐待や不正行為
実習生に対する身体的・精神的虐待、不適切な扱い、または契約違反などの不正行為があった場合、認定は取り消されることになります。 - 虚偽の情報提供
計画内容に虚偽の記載があった場合、例えば実習先や実習内容に関する偽りの報告があった場合、認定が取り消されます。 - 法令違反
実習計画を運営する企業や監理団体が、技能実習法や関連する法律に違反した場合、認定が取り消されます。
このように、技能実習計画の認定取り消し事由は、実習生が適正な教育を受けること、また労働環境が人道的であることを確保するために設けられています。
今回の認定取り消し事由が上記に何れにあたるのか、冒頭の記事のなかでは明らかにされていません。