難民認定審査にかかる処理期間が長いことが、同制度の濫用につながっている旨の指摘が従来よりなされています。

産経新聞の記事

難民申請繰り返すトルコのクルド人、鈴木法相「審査のスピードアップ、私からも指示する」 「移民」と日本人 (産経新聞 2025/03/26)の記事を要約すれば、以下の通りです。

難民認定申請を複数回行っている外国人の半数近くをトルコ国籍者が占めている問題について、鈴木馨祐法相は、難民申請の処理速度を上げるため、適切な指示を出す考えを示しました。出入国在留管理庁の統計によると、昨年の約1万2千人の難民申請者のうち、1355人が複数回申請を繰り返し、その約46%がトルコ国籍者(主にクルド人)でした。改正入管難民法により、3回目以降の申請者は強制送還できるようになっていますが、トルコのクルド人に関する情報を踏まえ、適切に対応していると説明しました。

また、難民審査の平均処理期間は約1年10カ月で、審査請求を行うとさらに1年が加わり、計約2年10カ月かかることが多いとされています。

処理期間の変遷

出入国在留管理庁より、難民認定申請に係る処理期間については、年1回の頻度で下記の通り発表されています。

令和元年17. 0か月
令和2年25. 4か月
令和3年32. 2か月

冒頭の記事は法務大臣が上記期間を削減する意図を示したものといえます。難民認定制度の濫用を防ぐための当然な意思表明だと思いますが遅きに失する感もあります。

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。