在留資格認定証明書交付申請の取次を外国人の方から依頼される際に、「代理人」の概念を伝えることが難しかったりします。
在留資格認定証明書交付申請の場合、申請人となる外国人の方は、まだ海外におり、申請人自らが申請書を提出することは困難です。(海外から直接申請することはできません。)このため、日本における受入機関の方を主として、在留資格毎に、誰が代理人となれるかが以下の通り定められています。
入管法施行規則別表第四
在留資格 | 代理人 |
外交 | 一 本人又は本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員が構成員となる外交使節団、領事機関等の職員 二 本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員 |
公用 | 一 本人又は本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員が公務に従事する外国政府又は国際機関の本邦駐在機関の職員 二 本人と同一の世帯に属することとなる家族の構成員 |
教授 | 本人が所属して教育を行うこととなる本邦の機関の職員 |
芸術 | 本人と契約を結んだ本邦の機関又は本人が所属して芸術上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員 |
宗教 | 本人を派遣する外国の宗教団体の支部その他の本邦にある関係宗教団体の職員 |
報道 | 本人と契約を結んだ外国の報道機関の本邦駐在機関又は本人が所属して報道上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員 |
高度専門職 | 一 法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号イ又はロに掲げる活動を行おうとする場合 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員 二 法別表第一の二の表の高度専門職の項の下欄第一号ハに掲げる活動を行おうとする場合 本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所の職員 |
経営・管理 | 一 本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所の職員 二 本人が経営を行い又は管理に従事する事業の本邦の事業所を新たに設置する場合にあつては、当該本邦の事業所の設置について委託を受けている者(法人である場合にあつては、その職員) |
法律・会計業務 | 本人が契約を結んだ本邦の機関の職員又は本人が所属して法律・会計業務を行うこととなる機関の職員 |
医療 | 本人が契約を結んだ本邦の医療機関又は本人が所属して医療業務を行うこととなる本邦の医療機関の職員 |
研究 | 一 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員 二 本人が転勤する本邦の事業所の職員 |
教育 | 本人が所属して教育を行うこととなる本邦の機関の職員 |
技術・人文知識・国際業務 | 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員 |
企業内転勤 | 本人が転勤する本邦の事業所の職員 |
介護 | 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員 |
興行 | 興行契約機関(興行契約機関がないときは、本人を招へいする本邦の機関)又は本人が所属して芸能活動を行うこととなる本邦の機関の職員 |
技能 | 本人と契約を結んだ本邦の機関の職員 |
特定技能 | 本人と特定技能雇用契約を結んだ本邦の機関の職員 |
技能実習 | 一 法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号イ、第二号イ又は第三号イに掲げる活動を行おうとする場合 企業単独型実習実施者の職員 二 法別表第一の二の表の技能実習の項の下欄第一号ロ、第二号ロ又は第三号ロに掲げる活動を行おうとする場合 監理団体の職員 |
文化活動 | 一 本人が所属して学術上又は芸術上の活動を行うこととなる本邦の機関の職員 二 本人を指導する専門家 三 本邦に居住する本人の親族 |
留学 | 一 本人が教育を受ける本邦の機関の職員 二 本人が基準省令の留学の項の下欄第一号イ又はロに該当する活動を行う場合は、次に掲げる者 ア 本人に対して奨学金を支給する機関その他の本人の学費又は滞在費を支弁する機関の職員 イ 本人の学費又は滞在費を支弁する者 ウ 本邦に居住する本人の親族 三 本人が基準省令の留学の項の下欄第一号ハに該当する活動を行う場合は、次に掲げる者 ア 本人が交換学生である場合における学生交換計画を策定した機関の職員 イ 本人が高等学校(中等教育学校の後期課程を含む。)、中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の中学部又は小学校(義務教育学校の前期課程を含む。)若しくは特別支援学校の小学部において教育を受けようとする場合にあつては本邦に居住する本人の親族 |
研修 | 受入れ機関の職員 |
家族滞在 | 一 本邦において本人を扶養することとなる者又は本邦に居住する本人の親族 二 本人を扶養する者の在留資格認定証明書の交付の申請の代理人となつている者 |
特定活動 | 本人が所属して法務大臣が指定した活動を行うこととなる機関の職員、本人を雇用する者又は法務大臣が指定する活動に則して法務大臣が告示をもつて定める者 |
日本人の配偶者等 | 本邦に居住する本人の親族 |
永住者の配偶者等 | 本邦に居住する本人の親族 |
定住者 | 本邦に居住する本人の親族 |
「代理」と「取次」は異なる
一方、私たち行政書士や弁護士は、申請人本人や上記代理人から依頼を受けて申請書を作成し提出することができます。これが「申請取次制度」と呼ばれる制度です。申請の際は、申請人或いは代理人が地方出入国管理局に出頭することが原則ですが、予め取次者として届出た者が申請書を提出する場合は、直接出頭の例外が認められるものです。
あくまで「取次」を行うものであり、「代理」とは異なります。
英語だとさらにややこしい
「取次者」も「代理人」も、英語で表すと”Agent”になります。申請書の該当項目の英文は、
- 代理人:Authorized Representative
- 取次者:Agent or other authorized person
と表示されています。
このままだと伝わらないので、代理人は”Agent typically a person in accepting organization/function”、取次者は”Submitter, typically immigration lawyer”等と説明したりしています。