出入国在留管理庁より、「技能実習制度及び特定技能制度の在り方に関する有識者会議最終報告書を踏まえた政府の対応について」が公開されています。

<技能実習の趣旨と実態>

そもそも技能実習とは、外国人技能実習制度は、我が国で培われた技能、技術又は知識を開発途上地域等へ移転することによって、当該地域等の経済発展を担う「人づくり」に寄与することを目的として1993年に創設された制度、つまり”国際貢献”を本旨とする制度です。

しかし、実態は我が国の昨今の労働力不足を補うものと機能するようになっており、2019年4月から受入れが始まった特定技能制度も、技能実習からの移行を前提とする道筋が用意されていることから、”国際貢献”の本旨は有名無実化されており、国もそのことを特定技能制度で認めているといえます。

(特定技能制度は、国内人材を確保することが困難な状況にある産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人を受け入れることを目的とする制度であり、技能実習のような”国際貢献”の目的を本旨としていません。)

技能実習制度の問題は、劣悪な環境で過酷な労働に従事させるケースが多発していること、3年間は転籍できないこと、これらが相まって、失踪する技能実習生が多く、不法残留状態となったり、さらには外国人が犯罪に走る一因となっていること等が挙げられます。

<まとめ>

冒頭リンク先にある政府の対応ですが、注目すべきは以下のようなことです。

  • 国際貢献という建前を捨て去っていること
  • 3年の転籍制限(転職)を、場合によって1~2年することにより人権に配慮していること
  • 転籍が発生した場合、受入初期費用を負担した転職元企業への補填を検討すること
  • 当分の間、職業紹介事業者を介する転籍は認めないこと

特に上記3点めは、当ブログ、技能実習制度の見直しと課題について(地方からの人材流出を食い止めるには) で述べた私見(地方から都会へ転籍する場合の補填)に、転職元企業に配慮するという意味で相通じるものがあります。

補填の具体的な方法はこれからだと思われますが、注視していきたいと思います。

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。

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