1.コンビニやマクドナルドで働く外国人の在留資格
私は仕事の関係で、よく東京・赤坂のコンビニやマクドナルドに行くのですが、注文、お会計を担当するほとんどの店員さんは外国の方々です。(経営するコンビニ店舗の9割が外国人という事例も) 彼らはどのような在留資格で働いているのでしょうか。
従来より、外国人に単純労働(行政書士の業界では”現業”と言ったりします。)での就労は認められていませんでしたが、2019年4月より受入が始まった在留資格「特定技能」では、12の特定産業分野※において一定の技能水準と日本語能力水準をクリアすれば、この資格において単純労働が認められるようになりました。
但し、コンビニ産業は対象外です。
※特定技能の特定産業分野
- ①介護
- ②ビルクリーニング
- ③素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業
- ④建設
- ⑤造船・舶用工業
- ⑥自動車整備
- ⑦航空
- ⑧宿泊
- ⑨農業
- ⑩漁業
- ⑪飲食料品製造業
- ⑫外食業
コンビニやマクドナルド等で働いている外国人の方々の多くが持っている在留資格は「留学」です。「留学」そのものは就労資格ではないので、資格外活動許可(週28時間の包括許可)を受けた上で(アルバイトとして)働いています。なお、マクドナルドは外食業であるので、「特定技能」で(正社員として)働いている方々もいます。(その他、「家族滞在」の資格外活動や、就労制限の無い「日本人の配偶者等」などの身分系の在留資格で働いている方々も)
2.コンビニ業界の動き
コンビニ業界は、特定技能創設時より、特定産業分野に含んでもらうよう従来から国に働きかけており(コンビニエンスストアの特定技能分野追加について:2022/11/24)、国でも検討を継続中です。
検討を進める中での課題は、特定技能制度において、受入企業・事業主(特定技能所属機関といいます。)側に発生する負担が大きいことにあると考えられます。
フランチャイズ形式であるコンビニチェーンは、店舗オーナーが特定技能所属機関となるとみられ、外国人を受け入れる際のみでなく、受入前後のオリエンテーション、受入時の送迎等、所属機関に課される義務に伴う負荷、相当量の計画・実績資料作成、入管庁や厚労省への届出、及び監査対応といった人的負荷や相当の費用が店舗オーナーに発生してしまい、店舗収益へのインパクトが大きいのです。
上述のコンビニ業界から国への働きかけの内容に、こういった点は述べられていませんが、抜本的な人材不足を、特定技能分野への参加により解決を図るのであれば、少なくとも、こうした業務は本部においてシェアードサービス化し、店舗オーナー側の収益を圧迫しないような安価で提供する等の工夫がなされるべきと考えます。