記事の要約

2024/11/23 弁護士ドットコムによる表題の記事を以下に要約する。

群馬県在住のフィリピン人女性マリベスさん(49)は、偽造パスポートで入国させられた経緯から在留資格を持たず、娘と離れ離れになっている。2005年、姉に勧められ日本に来たが、入国後に偽造パスポートの事実を知る。生活苦の中、フィリピンパブで働きながら常連客Aさんと交際し、2009年に娘を出産。娘は生まれつき知的障害を持ち、日本国籍を得たが、Aさんが娘を勝手に養護施設に入所させた。

2017年、手続きのため訪れた入管で収容され、以降3年10カ月間、収容中のストレスと原因不明の腹痛に苦しんだ。抗議による暴力的制圧や懲罰房での扱いも受け、身体的・精神的に大きな傷を負う。唯一の支えだったAさんも死去し、絶望の中で仮放免されるが、コロナ禍で娘との再会もままならなかった。

現在、1カ月に一度面会が許されるが、制限が多く、娘との接触は極めて限られている。知的障害を持つ娘は日本語以外を習得するのが難しく、日本での生活が不可欠だが、母であるマリベスさんの在留資格が認められていない。入管から受けた過剰な制圧行為について損害賠償を求め国賠訴訟を起こしているが、入管側は証拠映像の一部しか提出しておらず、裁判は続いている。

母子で日本に住み穏やかに暮らすことを願うが、道のりは依然厳しい。

記事を読んで

この状況は本当に痛ましい。国賠訴訟の裁判とはそれとして、在留特別許可を試みたかどうかについて記事には触れられていない。娘の父による養育が期待できない場合、障害を持った日本人の子を養育する点を積極材料として、在留特別許可の申請を選択肢と考え得る。(退去強制手続の中で法務大臣に対する異議申し立ての結果として与えられるもので、外国人側から請求できるようなものではなかった在留特別許可は、本年6月から申請手続がスタートしている。)

出入国在留管理庁より「在留特別許可」の事例

しかしながら、偽造パスポートによる不法入国は入管法上最も悪質なものとされるためハードルは極めて高い。タイムリーなことに、出入国在留管理庁より「在留特別許可された事例及び在留特別許可されなかった事例について」が2024/11/22に公表されている。

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。