<在留申請オンラインシステム>
在留資格認定証明書交付申請、在留資格変更許可申請、在留期間更新許可申請等の在留申請手続は、従来出入国在留管理庁(入管庁)の地方官署の窓口において申請を行う必要があったところ、令和元年4月より在留申請オンラインシステムが入管庁よりリリースされ、オンラインでの申請が可能になりました。
現在では、申請者本人(外国人)、取次を行う弁護士・行政書士、及び所属機関の職員が、入管庁の窓口に出向くことなく、オンラインで申請を行うことができるようになっています。
移動時間や待ち時間が不要という最大のメリット以外にも、目検による不備チェックがシステムで行われるという点において、利用者側のみならず、入国審査官側の効率も拡大に向上することが期待されます。
<在留申請オンラインAPIの概要>
さらに令和4年7月より、在留申請オンラインシステム「API」なるものが入管庁より公開されました。APIとはApplication Programming Interfaceの略であり、パソコンやスマホ等の端末とサーバ、或いはサーバとサーバ等、異なるコンピュータの間でデータを通信する仕組みのことです。これにより、民間のサービス業者が開発したシステムと在留申請オンラインシステムを接続できるようになりました。
<在留申請オンラインAPIの意義>
在留申請オンラインシステムAPIの利点は以下のようなものがあげられますが、特に②が重要といえます。
- ①迅速な利便性の向上(より使いやすい入力画面の独自開発)
- ②所属機関の外国人従業員管理レベルの向上
我が国の入管制度は転換の時期を迎えています。外国人本人へのハードル:所属機関のハードルの関係は、高:低から低:高へと変わってきています。就労系資格において、その在留外国人数の多くを占める技能実習や特定技能は、外国人本人が満たすべき基準はそれほど厳しいものではありませんが、所属機関が果たすべき届出、報告等の義務には、在留関係に限っても相当のものがあります。
また全ての就労系在留資格に共通して言えることですが、適切な在留資格を持っていないことを知りながら就労させた場合の刑事罰は非常に重いことはもちろん、外国人本人の在留状況の変更(入社、退社)があった場合は入管庁へ速やかに届出を行う必要があります。
以上のことから、会社が外国人従業員の在留状況を正しく把握し続けることは非常に重要なことであり、この点からも自社の業務管理システムと在留オンラインシステムがAPIを介して連携できるようになったことに意味があるといえます。
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