政府は2日、ITを活用して世界各地を移動しながら働く「デジタルノマド」を対象に、在留資格「特定活動」を与える新制度を発表しました。(2024/02/02 時事通信)
<デジタルノマドについて>
「ノマド」とは英語で遊牧民(nomads)を指し、デジタルノマドとはITなどの仕事に従事し、国境にとらわれずにリモートで働く人々の事を指します。
今回の制度は、海外企業から報酬を受ける人々を対象としており、6か月の在留期間を想定しているということです。
6か月を超えるプロジェクトであっても、在留期間を更新すれば、必要な期間だけ日本で仕事が可能ということなのだろうと思います。
<従来の在留資格>
私は20年ほど前に、海外の会社からコンサルタントを日本のコンサルティング会社に受け入れて(雇用して)、国内のクライアントからの委託業務に従事させるコンサルティング会社の在留申請を支援していたことがあります。
現在と変わらず、当時も収入を得ながら在留するには、日本の受入会社から報酬を得る形しかなく、当時、彼らの在留資格は「技術」(現在の「技人国:技術・人文知識・国際業務」)であり、在留資格認定証明書交付申請や、在留期間更新許可申請を数多く扱いました。
こうした方々は皆、高収入であり、毎年の確定申告書上の年収を聞いて驚いた覚えがあります。
<メリットとデメリット>
税率や社会保険料の事を考えると、在留資格:技人国で、わざわざ日本の会社に雇用されるよりも、デジタルノマドを選択するケースが多いのではないでしょうか。
狙いはイノベーション創出と消費拡大とのこと、イノベーション創出につながるかどうかはさておき、消費拡大については、短期滞在で観光で来てもらって日本にお金を落としてもらう事と同じで、そのパイを増やす(経済効果と消費税収入の増加)ということなのでしょう。一方で、所得税収入は減るという国にとってはマイナスの要素もあると思います。
日本の賃金は安いので、もはや高収入の外国人から税収を見込める時代は終わり、何とかお金を落としてください、ということなのでしょうか。。。
新制度は年度内での運用開始ということですので、3月から受入開始となる模様です。