はじめに

日本で暮らす外国人の皆さんも、「マイナンバー(個人番号)」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか。
このマイナンバーを記載したICカード「マイナンバーカード」は、日本に住民票があるすべての人が申請できるものです。
つまり、外国籍の方でも、住民登録(住民票)があれば取得が可能です。

マイナンバーカードの取得は義務ではありませんが、日本で生活するうえで非常に便利な場面が増えています。
本記事では、外国人の方にとってのメリットと、取得までの流れ、そして参考になる官公庁サイトのリンクをまとめてご紹介します。


マイナンバーカードとは

マイナンバーカードは、12桁の「個人番号」と氏名・住所・生年月日・性別・顔写真が記載された公的な本人確認書類です。
総務省によると、このカードは「日本国内に住民票を有するすべての人」に交付されると定められています。
出入国在留管理庁が管理する外国人住民も対象に含まれています。
総務省:マイナンバー制度について


外国人が取得するメリット

1. 行政手続きがスムーズに

マイナンバーカードを持っていると、確定申告や税金、年金、子育てなどの行政手続きをオンラインで行うことができます。
これまで役所へ何度も足を運ぶ必要があった申請が、インターネット上で完結することもあります。
デジタル庁:マイナンバーカードの便利な使い方

2. コンビニで証明書を取得できる

住民票や印鑑登録証明書、課税証明書などの公的証明書を、全国のコンビニエンスストア(マルチコピー機)で簡単に取得できます。
自治体の窓口が開いていない時間帯でも利用できるため、忙しい方には特に便利です。
総務省:コンビニ交付サービス

3. 健康保険証として利用可能

マイナンバーカードは、健康保険証としても利用できます。
医療機関や薬局で、マイナンバーカードを提示すれば、保険証を持たなくても受診が可能になります。
デジタル庁:マイナ保険証について

4. 安全で確実な本人確認

カードには顔写真が付いており、公的な身分証明書として使用できます。
銀行口座開設、携帯電話契約、各種登録などで本人確認書類を求められる場面でも使うことができます。


取得できる外国人の条件

マイナンバーカードを取得できるのは、日本に住民票がある外国人です。
つまり、「中長期在留者」「特別永住者」「一時庇護許可者」など、在留カードを持っており、市区町村に転入届を出している方が対象です。

一方、短期滞在者(90日以内)や在留資格のない方は、住民登録がないため対象外です。
法務省 出入国在留管理庁:外国人の住民登録制度


申請から受け取りまでの流れ

ステップ1:住民登録を行う

まず、日本での居住地が決まったら、14日以内に市区町村役場で住民登録(転入届)を行います。
この手続きにより、あなたにマイナンバーが割り当てられます。

ステップ2:通知カードまたはお知らせカードを受け取る

住民登録のあと、郵送で「マイナンバーのお知らせ」が届きます。
この中に「個人番号カード交付申請書」が入っています。これを使って申請を行います。

ステップ3:申請する(4つの方法)

申請方法は4通りあります。
どの方法を選んでも、最終的には市区町村役場で受け取る形になります。

  1. スマートフォンで申請
     申請書に印刷されたQRコードを読み取り、専用サイトにアクセスして申請します。
     → デジタル庁:スマートフォン申請手順
  2. パソコンで申請
     申請書IDを入力し、顔写真データをアップロードして送信します。
  3. 郵送で申請
     申請書に必要事項を記入し、顔写真を貼ってポストへ投函します。
  4. 市区町村窓口で申請
     自治体によっては窓口での申請を受け付けている場合もあります。
     日本語に不安がある方は、この方法を選ぶと安心です。

ステップ4:交付通知書が届く

申請からおおむね1か月ほどで、「マイナンバーカード交付通知書」が届きます。
この通知書に書かれた期日までに、指定の窓口へ受け取りに行きます。

ステップ5:カードを受け取る

受け取りの際には、以下のものを持参します。

  • 交付通知書
  • 在留カードまたはパスポート
  • 通知書に記載された必要書類

受け取りの際に、暗証番号(パスワード)を登録します。


カードの有効期限と更新

外国人のマイナンバーカードには、在留期間に合わせた有効期限が設定されています。
在留資格を更新した場合は、マイナンバーカードの期限延長手続きも必要です。
手続きはお住まいの市区町村の窓口で行います。
法務省 出入国在留管理庁:マイナンバーカードと在留カードの関係


海外転出・帰国時の手続き

日本から出国し、住民票を抜く場合(国外転出)には、マイナンバーカードを返納する必要があります。
ただし、2025年以降は、国外転出後も一定の条件下でカードを保持できる制度が整備されています。
詳細は外務省の案内をご確認ください。
外務省:国外転出者向けマイナンバーカードについて


紛失や破損時の対応

カードを紛失した場合は、**速やかにマイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)**へ連絡し、利用停止の手続きを行います。
再交付はお住まいの市区町村役場で申請できます。
デジタル庁:マイナンバーカードをなくしたときは


外国人の方が注意すべきポイント

  • カードの有効期限は「在留期間満了日」と一致します。更新忘れに注意しましょう。
  • 名前がアルファベット表記のみの方は、一部のオンラインサービスでエラーが出ることがあります。役所での確認をおすすめします。
  • 在留資格変更(例:留学→就労)をした場合は、カード記載情報の更新手続きが必要です。

まとめ

マイナンバーカードは、日本での生活をより便利で安心にする大切な身分証明書です。
取得することで、行政手続きの簡略化や医療サービスのスムーズな利用など、日常生活が格段に快適になります。

外国人の方でも、日本に住民票がある場合は誰でも取得可能です。
ぜひ、お住まいの市区町村役場または以下の公式サイトを参考に、申請を進めてみてください。


参考リンク(官公庁)

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。