「働けなくなったら見捨てる? 急増する在留外国人に「生存権の保障」の司法判断は 労働で社会を支える一員」(2024/01/15 東京新聞)より、ガーナ国籍の原告が生活保護申請の却下取り消しと保護開始を千葉県に対して求めた裁判の地裁判決が本日出るようです。
外国人へ生活保護を与える事の是非については、平成22年に入国後間もない中国国籍の外国人が集団で大阪府に対して生活保護の申請を行った事が問題視されました。
<国の見解と制度運用>
外国人へ生活保護を付与することについては、昭和29年の厚生省(当時)の通知により、一定の条件のもとにこれを認める地方自治体の運用が現在でも続いています。(これを見直す状況にない政府見解:2024/11/04 朝日新聞)
就労系の在留資格は収入を得る事を入国目的としているので生活保護の対象外ですが、「永住者」「日本人の配偶者等」「永住者の配偶者等」「定住者」及び「特別永住者」の身分系の在留資格については対象となり得ます。(難民認定された外国人含む。)
本記事は、生活保護付与の是非についてのものですが、生活保護は、在留期間更新と在留資格変更といった入管法の領域でも論点となります。(在留期限の無い永住者と特別永住者を除く。)
即ち、何れの許可を得るためにも、独立の生計を営むに足る資産又は技能を有すること が必要となるのです。(入管庁のガイドライン)
<実務上の運用>
ただ、生活保護を受けている場合においても、在留資格変更、在留期間更新の申請において、人道的見地から許可が出される場合もあります。(※)
(※)”実務上、現に有する在留資格による在留期間更新許可等を既に1回以上受けている者及び日本人の実子の監護養育を目的として在留中の者については、特別の事情が認められるものとして、生活保護を受給しているという事実のみをもって不許可とはされない可能性が高いです。”(山脇康嗣 [新版]入管法の実務 新日本法規 P112)
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