在留資格認定証明書(COE)の交付は、日本で働くための手続きの終わりではありません。
日本企業への就職が決まり、出入国在留管理庁から在留資格認定証明書(COE)が交付されると、多くの外国人は「これで日本に行ける」と安心します。しかし、実際にはその後、在外日本大使館・総領事館などで査証(ビザ)の発給を受ける必要があります。
特に中国やベトナムなどでは、COEを取得していても、査証申請の段階で雇用契約書や労働条件に関する書類などの追加提出を求められる場合があります。
つまり、出入国在留管理庁によるCOEの審査と、外務省・在外公館による査証の審査という、事実上の二段階審査が行われていることを理解しておかなければなりません。
COEは査証発給を保証するものではない
COEは、日本で予定されている活動が在留資格の上陸条件に適合することを、法務大臣が事前に証明するものです。しかし、COEが交付されたからといって、査証の発給が自動的に保証されるわけではありません。
査証審査では、申請内容や提出書類の整合性などが改めて確認され、必要に応じて追加資料の提出や説明を求められることがあります。
例えば、COE申請時と査証申請時で雇用条件や職務内容が異なっていれば、その理由を説明する必要が生じる可能性があります。
申請内容を人任せにしないこと
外国人本人が特に注意すべきなのは、雇用企業や紹介会社、申請を代行する専門家に手続きを任せきりにしないことです。
自分がどの会社で、どのような仕事をし、どのような条件で雇用されるのか。少なくとも、その基本的な内容は本人が正確に理解しておく必要があります。
また、COE申請後に雇用条件や勤務先などに変更が生じた場合には、そのまま査証申請を進めるのではなく、関係者と情報を共有し、必要な対応を確認することが重要です。
日本に入国するまで、気を抜かない
COEの交付後にも、査証申請、査証発給、そして日本への上陸審査という手続きが残っています。
特に、査証申請時に追加資料を求められる国・地域の方は、COE申請に使用した書類を適切に保管し、雇用企業とも連絡を取り続けてください。
「COEが出たから、あとは航空券を買うだけ」ではありません。
日本での新しい生活を確実に始めるためにも、申請内容を自分自身で理解し、最後まで責任を持って手続きを確認することが大切です。
中国・ベトナムでは、実際に雇用契約書を求めるケースも
この二段階審査は、単なる形式的な手続きではありません。
例えば、在上海日本国総領事館では、「技術・人文知識・国際業務」の査証申請に際し、COEとは別に雇用契約書、履歴書、卒業証明書、在職証明書などの提出を求めています。
また、在ホーチミン日本国総領事館でも、就労目的の査証申請において、本人確認のための資料として雇用契約書や採用通知書が指定されています。
在上海日本国総領事館
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ただし、必要書類は国籍、在留資格、申請先の在外公館によって異なります。中国やベトナムのすべての就労査証申請で、一律に同じ追加書類が必要というわけではありません。
受入企業にも求められる最後までの責任
この問題は、外国人本人だけの問題ではありません。
日本側の受入企業も、COEの交付をもって採用手続きが完了したと考えるべきではありません。査証申請で追加資料が必要となった場合には速やかに対応し、雇用条件の変更があれば本人に正確に伝える必要があります。
外務省も、COEは査証発給を保証するものではなく、追加資料の提出が必要となる場合があることを明示しています。
Ministry of Foreign Affairs of Japan
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最後に ― COEはゴールではなく、通過点
日本への就職を希望する外国人の皆さんに、ぜひ覚えておいていただきたいことがあります。
COEが交付されても、査証が発給されるまでは、日本への渡航が確定したわけではありません。そして、最終的な入国には上陸審査も必要です。
申請内容を人任せにせず、自分自身でも確認すること。受入企業との連絡を絶やさないこと。そして、日本に入国するまで気を抜かないこと。
日本で働くという大切な人生の一歩だからこそ、最後まで慎重に手続きを進めていただきたいと思います。
参考:外務省「査証に関するよくある質問」、在上海日本国総領事館「在留資格認定証明書所持者の査証申請必要書類案内」、在ホーチミン日本国総領事館「在留資格認定証明書に基づく査証申請に必要な書類一覧」。2026年10月時点の公表資料に基づく。