2024/10/4 佐賀新聞の記事によれば、小城市に住む中国籍の20代男性が300万円をだまし取られるニセ電話詐欺が発生したとのこと。

日本に在留する外国人が詐欺などのトラブルに巻き込まれないようにするためには、いくつかの注意点を理解し、日常生活でそれを守ることが重要です。異なる文化や言語の壁がある中で、日本に住む外国人は特に詐欺やトラブルのリスクにさらされやすい状況にあります。ここでは、具体的なトラブルの実例を交えながら、詐欺やトラブルに巻き込まれないためのポイントを解説します。

1. 日本の文化やルールを理解する

外国人が詐欺やトラブルに巻き込まれる大きな原因の一つは、現地の文化やルールについて十分に理解していないことです。例えば、日本では契約書や各種の規則が非常に細かく定められており、それに従うことが求められます。契約書の内容を理解せずにサインをしてしまうと、不利な条件に巻き込まれる可能性があります。特に、日本では口頭契約も法的に有効とされることがあるため、契約に関しては慎重になる必要があります。

実例1: 高額な携帯電話契約トラブル

ある外国人留学生が日本に到着したばかりの際、街中で携帯電話の契約を勧められました。言葉の壁もあり、販売員の説明を十分に理解しないまま契約書にサインしました。後日、その契約が非常に高額な月額料金を伴うものであり、解約には高額な違約金が必要であることが判明しました。このように、契約内容を理解せずに進めてしまうことはトラブルに繋がります。日本では契約書の内容を細かく確認することが重要であり、疑問があれば通訳を頼むか、契約前に友人や知人に確認してもらうことが推奨されます。

2. オンライン詐欺に注意する

オンライン詐欺は世界中で広がっている問題であり、日本でも例外ではありません。特に外国人は、日本の詐欺手法に慣れていないため、被害に遭いやすいです。典型的な詐欺手法には、フィッシング詐欺や偽のウェブサイトを使用した詐欺などがあります。これらの詐欺は、銀行口座情報やクレジットカード情報を盗むことを目的としています。

実例2: フィッシングメール詐欺

日本に滞在している外国人が、ある日日本の銀行を装ったメールを受け取りました。そのメールには、アカウント情報を更新するためのリンクが記載されており、リンクをクリックして個人情報を入力するよう求められました。メールの内容が日本語であったため、正当なメールであると思い込み、リンクをクリックしてしまいました。その結果、銀行口座の情報が詐欺グループに盗まれ、口座から不正にお金が引き出されてしまいました。このようなフィッシング詐欺は巧妙に見えることが多く、特に日本語に不慣れな外国人は被害に遭いやすいです。公式な銀行からの連絡はメールではなく公式アプリや電話で行われることが多いため、疑わしいメールは無視するか、直接銀行に問い合わせることが推奨されます。

3. 不動産詐欺に気をつける

日本で住まいを探す際に、外国人がしばしば直面する問題の一つが不動産詐欺です。言語の壁や文化の違いにより、賃貸契約において不利な条件を提示されたり、詐欺に遭うケースが報告されています。例えば、仲介手数料や礼金などの費用が不当に高額である場合や、実際に存在しない物件を紹介されるケースがあります。

実例3: 存在しない物件を紹介される詐欺

ある外国人労働者が、日本での住居を探していた際、インターネット上で非常に安価で理想的な物件を見つけました。すぐに連絡を取ると、前金としてデポジットを要求され、振り込んだ後に物件を見に行くことができると言われました。デポジットを振り込んだ後、連絡が途絶え、実際にはその物件が存在しないことが判明しました。このような詐欺はオンライン上で多く発生しており、特に外国人は注意が必要です。物件を見る前に大金を振り込むよう求められた場合は警戒し、不動産業者が信頼できるかどうかを事前に調査することが重要です。

4. 偽の就職情報に注意する

日本で仕事を探す外国人にとって、詐欺や搾取的な雇用契約も一つのリスクです。特に日本語に不慣れな外国人が狙われやすい職種として、アルバイトや契約社員などの仕事があります。不正な雇用主は、外国人労働者に過酷な労働条件を課し、法的に定められた最低賃金や福利厚生を提供しないことがよくあります。また、偽の就職情報を提供し、個人情報を盗む詐欺も存在します。

実例4: 偽のアルバイト詐欺

日本でアルバイトを探していた外国人留学生が、ある求人サイトで魅力的なアルバイトを見つけました。すぐに応募し、雇用主と連絡を取ると、アルバイトを開始するために事前に住民票やパスポートのコピーを送るよう求められました。留学生は言われた通りに書類を送付しましたが、その後雇用主からの連絡は途絶え、個人情報が悪用される可能性があることに気づきました。偽の求人情報を使った詐欺では、特に個人情報の盗難が狙われることが多く、求人に応募する際には、信頼できる求人サイトや企業を選ぶことが重要です。

5. 交通トラブルに備える

日本では、交通事故や交通違反も外国人が巻き込まれやすいトラブルの一つです。特に自転車の使用に関して、日本には独自のルールが多く、これを理解していない外国人が違反を犯しやすいです。無灯火での夜間走行や歩行者専用の歩道を走る行為などは、日本では罰金や警察による取り締まりの対象になります。また、事故に巻き込まれた場合、日本の保険制度や警察への対応を知らないと、不利な立場に立たされる可能性があります。

実例5: 自転車の交通違反による罰金

日本に住むある外国人が、夜間に自転車で無灯火のまま走行していたところ、警察に止められ、罰金を科されました。日本では自転車も車両として扱われ、交通法規に従う必要があるため、このようなトラブルが発生します。自転車を使用する際には、事前に日本の交通ルールを学び、違反を避けることが重要です。

まとめ

在留外国人が日本で詐欺やトラブルに巻き込まれないためには、日本の法律やルールを理解し、契約や取引に慎重に臨むことが大切です。また、オンラインでの詐欺や不動産トラブル、偽の求人情報など、特に外国人が狙われやすいトラブルについては、常に警戒心を持ち、信頼できる情報源を活用することが求められます。日本での生活を安全で快適に過ごすためには、周囲の人々や専門家のサポートを受けながら、正確な情報を入手し、トラブルに巻き込まれないための対策を講じることが重要です。

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。