神戸新聞の記事
「神戸で活躍、ウナギ焼き職人は28歳の米国人 アニメに導かれ来日5年、絶妙技にファンも」(神戸新聞 2024/12/19)では、特定技能2号を取得した米国人のウナギ焼き職人を紹介しています。
記事の要約
神戸市でウナギかば焼き職人として働くダニエル・ジンガニJr.さん(28歳)は、アニメがきっかけで5年前に米国から来日し、昨夏には兵庫県内で初めて外食業における「特定技能2号」を取得しました。彼は日本語を独学で学び、うどん店のアルバイト後、ウナギ専門店「西村川魚店」で職人の道を歩み始めました。現在は絶妙な焼き加減でファンに支持されています。ダニエルさんは将来、日本で家族を持ち、永住を希望しています。
また、日本の外国人労働者数は2023年10月時点で約205万人に達し、2008年の約49万人から4.2倍に増加しました。少子高齢化による労働力不足を背景に、外国人労働者の受け入れが進んでおり、特定技能1号や2号などの在留資格が新設されています。
記事を読んで
この方は、大学で経営学を学び、かつ高度な日本語能力を取得していることもあり、いわゆるホワイトカラー系の就労資格である「技術・人文知識・国際業務」や、「高度専門職」を取得することも可能なのだろうと思います。
しかし、職人の道として、「特定技能2号」という道を選びました。(特定技能2号は、1号のように最長5年といった在留期間に制限はないため、更新は何回でもできます。)
熟練労働者向けの在留資格としては「技能」が思いつきますが、調理人としての活動を行う場合、日本料理は対象外となります。(外国固有の調理である必要がある。)
あるいは、農林水産省の「日本の食文化海外普及人材育成事業」の認定を受けることによって、日本の留学生が、卒業後、日本料理店で働く活動が、在留資格「特定活動」として用意されていますが、こちらも最長5年という制限があります。
ですので、特定技能2号は、就労系の資格の中では、外国人の方が職人の道を究めるための最善の選択肢ということになります。
日本人か外国人かに関わらず、一般企業に就職するか、修行をして手に職をつけるか、どちらを選択するかは個人の自由ですが、外国において職人の道を究めようとしているダニエルさんは、素晴らしいと思います。