入管難民法違反

ベトナム人ガールズバーの経営者再逮捕 「発祥の店」で不法就労助長容疑―警視庁(2024/11/11 時事通信)の記事について、以下に要約します。

警視庁保安課は、就労資格のないベトナム人女性をガールズバーで働かせたとして、ベトナム国籍のズオン・ティ・ミン・ホン容疑者(29)ら17人を入管難民法違反で再逮捕しました。ズオン容疑者らは東京・上野などでガールズバー5店舗を経営し、2019年3月から2023年9月までに約4億4,000万円を売り上げ、「どんな在留資格でも働ける」と説明してベトナム人女性47人を雇用していました。警視庁は10月に風営法違反容疑で彼女らを逮捕していました。

風営法違反

上記、警視庁は10月に風営法違反容疑で彼女らを逮捕していたとありますが、当件もガールズバー無許可営業か ベトナム人の女17人逮捕(2024/10/21 共同通信)にて報じられているので、以下に要約します。


東京都内で無許可でガールズバーを営業したとして、警視庁保安課は風営法違反の疑いで、経営者ズオン・ティ・ミン・ホン容疑者(28)とベトナム国籍の従業員17人を逮捕しました。彼らは都内で5店舗を運営し、2019年以降に約4億4千万円を売り上げたとされています。従業員は留学などの在留資格で来日しており、不法就労の疑いでも調査されています。ベトナムの民族衣装アオザイを着用し、カウンター越しに接客を行っていたとのことです。

資格外活動として許可される活動

身分系(例:日本人の配偶者等)以外の在留資格で日本に在留する方々は、付与された在留資格毎に定義された”行うことのできる活動”以外の活動を行うことができません。

本来、収入を得ることを認められていない在留資格である「留学」や「家族滞在」で日本に暮らしている外国籍の方々が、働こうとする場合には、「資格外活動許可」を得る必要があり、又、原則週あたり28時間とその上限が定められています。

そして、資格外活動も無条件に行うことができるものではなく、一般原則があります。

  • (1) 申請人が申請に係る活動に従事することにより現に有する在留資格に係る活動の遂行が妨げられるものでないこと。
  • (2) 現に有する在留資格に係る活動を行っていること。
  • (3) 申請に係る活動が法別表第一の一の表又は二の表の在留資格の下欄に掲げる活動(「特定技能」及び「技能実習」を除く。)に該当すること。(注)下記2(1)の包括許可については当該要件は求められません。
  • (4) 申請に係る活動が次のいずれの活動にも当たらないこと。
    • ア 法令(刑事・民事を問わない)に違反すると認められる活動
    • イ 風俗営業、店舗型性風俗特殊営業若しくは特定遊興飲食店営業が営まれている営業所において行う活動又は無店舗型性風俗特殊営業、映像送信型性風俗特殊営業、店舗型電話異性紹介営業若しくは無店舗型電話異性紹介事業に従事して行う活動
  • (5) 収容令書の発付又は意見聴取通知書の送達若しくは通知を受けていないこと。
  • (6) 素行が不良ではないこと。
  • (7) 本邦の公私の機関との契約に基づく在留資格に該当する活動を行っている者については、当該機関が資格外活動を行うことについて同意していること。

まとめ

上記に述べたとおり、ガールズバーで働くということは上記(4)イに該当するので、資格外活動が許可されることはありません。(店舗が風営法の許可をとっていないから風俗営業に当たらないということにはなりません。)

従って、身分系(例:日本人の配偶者等)以外の在留資格で日本に在留する方々が、ガールズバーで働いているということは、それだけで入管法違反(資格外活動罪)になるのです。(働かせている者には不法就労助長罪が成立)

逆に言えば、ベトナムガールズバーで働いているベトナム国籍の方々が、「日本人の配偶者」「永住者の配偶者」「定住者」「永住者」の何れにもあたらなければ、いつ逮捕されてもおかしくないということです。(同様のことは、フィリピンパブ、中国人スナックにも言えます。)

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。