「育成就労」17分野 政府案、技能実習試験を活用(2025/5/27 福祉新聞)にも報じられているとおり、政府は、深刻化する人手不足に対応するため、特定技能制度の対象分野に新たに「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野を追加する案を検討しています。これらの分野では、特定の職種において労働力不足が顕著であり、外国人労働者の受け入れが求められています。以下、それぞれの分野の背景と具体的な職種について詳述します。


1. リネンサプライ分野

背景

リネンサプライ業界は、ホテルや医療機関、飲食店などに対して、シーツやタオル、制服などのリネン製品の洗濯・補修・配送を行うサービスを提供しています。近年、観光業の回復や高齢化社会の進展により、ホテルや医療施設の需要が増加し、リネンサプライ業界の業務量も増加しています。しかし、労働環境の厳しさや低賃金などの理由から、国内人材の確保が困難となっており、人手不足が深刻化しています。

具体的な職種

  • リネン製品の洗濯・乾燥・仕上げ作業員
  • リネン製品の補修・検品作業員
  • リネン製品の配送・回収ドライバー

2. 物流倉庫分野

背景

電子商取引の拡大や消費者ニーズの多様化により、物流業界全体の業務量が増加しています。特に、倉庫内での仕分け・梱包・出荷作業などの業務は、繁忙期には人手不足が顕著となります。また、労働環境の厳しさや高齢化の影響もあり、国内人材の確保が難しくなっています。

具体的な職種

  • 倉庫内での商品の仕分け・ピッキング作業員
  • 商品の梱包・出荷作業員
  • フォークリフトオペレーター
  • 在庫管理・棚卸作業員

3. 資源循環分野

背景

環境意識の高まりや法規制の強化により、リサイクルや廃棄物処理などの資源循環業務の重要性が増しています。しかし、これらの業務は労働環境が厳しく、敬遠されがちであるため、国内人材の確保が難しい状況です。特に、廃棄物の分別・処理作業やリサイクル資源の選別作業などは、人手不足が深刻化しています。

具体的な職種

  • 廃棄物の収集・運搬作業員
  • 廃棄物の分別・処理作業員
  • リサイクル資源の選別・加工作業員
  • 廃棄物処理施設の運転・管理作業員

結論

政府が特定技能制度の対象分野に「リネンサプライ」「物流倉庫」「資源循環」の3分野を追加する案を検討している背景には、各分野での深刻な人手不足があります。これらの分野では、労働環境の厳しさや低賃金、高齢化などの要因により、国内人材の確保が困難となっており、外国人労働者の受け入れが求められています。特定技能制度の対象分野拡大により、これらの業界の人手不足解消が期待されます。

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投稿者: kenjin

行政書士の西山健二と申します。 外国人の方々が日本で働き、暮らすために必要な在留資格の各種申請手続を支援します。